同じ人間でも、長期間寝たきり状態になっていたり、デスクワークばかりで座っていることの多い人は、骨の中の過重センサーが、骨は体重を支える程度より少し強ければ良いと判断して、骨にカルシウムをあまり多く沈着させません。しかし、道路工事や農業に携わっていて力仕事をする人や、重量挙げや柔道など体重の何倍もの力をかけるスポーツをしている人では、骨を強くしなければとカルシウムをたくさん貯める働きが優ります。

このように日毎にかけ続ける重量の大きさ、時間の長さにより、骨の過重センサーは骨が弱いままで良いのか、強く保たなければ耐えられないかを判断して、骨に沈着させるカルシウム量をコントロールするのです。この点を見れば、骨というのは目的に沿った良い過重センサーを備え、過重センサーの指令通りにこまめに骨にカルシウムを出し入れする「臓器」であるとも言えます。