骨は、頭の骨から足の骨まで、体重のかかり具合の異なる種々のタイプの骨があります。頭の骨は脳をがっちりとガードしているものの、体重がかかるわけでもなく、通常の人では日常生活上で荷物を載せて負担をかけることもないので、過重センサーは働きようがありません。しかし、歩くたびに全身の体重がかかる踵骨(かかとの骨)では、一日に5,000歩歩く人に比べて10,000歩歩く人の方が、確実に二倍の負担を過重センサーが感じ取ります。ということは、踵骨では最も敏感に過重センサーが働き、また過重センサーの指令にこまめに骨が反応しています。その良い例が、火事などで二階から飛び降りて踵骨をつぶした時の骨折型に見られます。この場合は、つぶれた踵骨を金属製の器具で、できるだけ元の形に整復・固定して、骨癒合が完成するまでギプスの中で待つ、といった治療をするが、そこでもし1ヶ月間以上も踵骨をギプス内に閉じ込めて置くと、その間、骨の過重センサーは過重を感じ取らなくなり、結果骨はカルシウムを貯めて強くして置かなくてもよいのだと判断して、カルシウムをどんどん放出し、弱い骨になってしまいます。