なぜ高血圧になるのかはまだ十分に分かっていません。それを「本態性高血圧」と呼んでいますが、遺伝的な問題とか、食物とか、いろいろなものがあります。それに対して、酵素レニン係が、そのもので血中に出て来ると血圧を上げます。酵素レニンは腎臓に存在します。腎臓が悪くなると高血圧になることは分かっていたので、腎臓をすりつぶして、その上澄みを注射しますと、血圧が上がります。腎臓の障害で酵素とホルモン系が活性化されます。腎臓は体の中の大きなろ過装置で、成人では1日に100リットル位の血液を濾過して、ほとんどのものはもう一度再吸収して、要らないものを尿として排出しています。

例えば腎臓へ行く血圧が下がった場合、腎臓は濾過できませんから、大変困って酵素レニンを出して全身の血管を収縮させようとします。大出血をした場合、この酵素が腎臓から出てきて、体の中の血管を収縮させ、何とか一定の血圧を保って生命を維持したり、腎臓へ行く血液の量を増やしたりする、大切な働きを体の中でしています。

ところが腎臓が悪くなると、腎臓へ行く血液が減るので慢性的に酵素レニンが血中に出てきて血圧を上げ続けることがわかっています。高血圧の原因としては、他のホルモンや神経性の因子など、候補は色々ですがまだ十分にわかっていません。

高血圧が問題になるのは、高血圧が長年続くと、血管が破れたり詰まったりして、脳卒中や心臓病を引き起こすからです。高血圧といっても色々あり、遺伝的な要素、食物を含めた環境的な要素もあり、精神的なス卜レスによって高血圧になるとか複雑な要素が絡んでいます。塩分の摂取も、人によって影響が色々違います。