皮膚は外部環境から体を守る単なるカバーではありません。様々な刺激をキャッチするセンサーとして、あるいは体温を調節するラジエーターとして、重要な役割を果たしています。また新陳代謝や呼吸、免疫といった活動も行っています。そうした意味で、皮膚は立派な臓器の一つですし、自分の健康状態を簡単にチェックすることができるバロメーターでもあるのです。そんな皮膚の異常の一つに、強いかゆみを伴って、皮膚の表面にブツブツができる湿疹があります。

これは一種の皮膚炎です。皮膚が赤くなる、小さな水ぶくれができる、角質が乾いてはがれ落ちる、水疱が破れてジクジクする、といった様々な症状も一緒に出てきます。湿疹の中で最も多いのが、ある特定物質に触れることでアレルギー反応を起こす接触皮膚炎です。

原因となる物質(アレルゲン)に初めて触れたときは炎症は起こりません。この時、体内でアレルギー反応が成立すると、次にそのアレルゲンに触れた場合に様々な症状が出てくるのです。同じものに触れても、炎症を超こす人と起こさない人が居て、これは体質的なものと言えます。シャンプー、化粧品、薬、装身具、衣料品、革製品、ゴム製品、植物などアレルゲンは実に多彩です。身の回りにあるありとあらゆるものが全てアレルゲンになる、と言ってもいいほどです。

接触皮膚炎が疑われる時は、皮膚科を受診します。そこで様々な抽出液をつけたシールを皮膚に貼り、その反応によってアレルゲン物質を調べるパッチテストを実施します。またアレルギーがある場合は血液中の白血球に変化が見られるため血液検査も行います。原因が分かれば、アレルゲンを取り除くことが先決です。