肝硬変でいずれの値も上昇。正常値TTT,0~4単位。ZTT,2~12単位。

肝臓の細胞がやられると、生体は必死でこれを修復しようとします。しかし死んだ肝細胞のすべてが正常な細胞と置き換わるわけではなく、その穴埋めに線維組織が次第に増えて行きます。このように線維化の進んだ肝臓(例えば肝硬変)は当然のことながら肝臓としての作業能力が落ちてきます。その一つがタンパク質の代謝です。

肝機能に障害が起こると、血清タンパクの比率に変化が現れます。すなわちアルブミンが減り、γ-グルブリンが増えてきます。そこで血清に試薬を加えてタンパク質を凝固させ、その混獨の程度から肝臓のダメージを判断するのが、膠質反応検査です。検査法としては、チモール混獨試験(TTT)と硫酸亜鉛混濁試験(ZTT)が最も一般的に行われています。肝硬変では、TTT、ZTTがともに著しく上昇します。急性肝炎ではTTTは上昇しますが、ZTTはあまり動きません。肝臓がよくなると、尾を引いて数値が下がって行くので、治癒過程を見るためにもよく利用されます。また肝臓病以外では高脂血症の場合に、TTTが上昇、ZTT変化なしと似たような結果が出るので注意が必要です。数値が高い場合、肝硬変、急性肝炎、脂肪肝、高脂血症、全身性エリテマトーデス。