関節の痛みを訴える疾患には

  1. リウマチを含めた膠原病などの免疫異常による一連の疾患。
  2. 通風のように代謝異常をバックにした疾患。甲状腺異常からくるものや糖尿病性の関節炎もこれに入る。
  3. ウイルスや結核菌、淋菌などいろいろな細菌の感染による疾患。
  4. 加齢によるもの、変形性の腰痛症とか関節症などの疾患。

などがあります。

これらを基礎病態(要因)とした筋•骨格系の痛み全て、診療領域になります。そのためある部分ではペインクリニックや整形外科領域とも当然重なってきます。

 

診断方法

疾患の種類によって違いますが、共通したものとして一応決められた血液検査などの内科的検査をします。加えて筋力テストなどの理学的な検査。あとはトイレに行けるかどうかといった、日常生活のハンディキャップなどを問診します。こうした様々な検査・診察が行われ、総合的に診断が下されます。

 

治療方法

薬物療法と運動療法のニ本柱になります。ここ5年ほど前までは、リウマチの痛みがひどいときは、安静にしておくという考えがありました。しかし、今は痛みを薬で押さえて、ある程度寛解(症状を楽にする)に導いて、積極的に運動させる方向になっています。安静にしていると、骨のカルシウムが尿に出てしまうからで、運動は脱カルシウムを防ぐため、最近では治療の大原則になっています。

リウマチは今のところ原因がわからないために根本療法ができません。痛みをとることが、患者にとっては一番大事なことになります。リウマチが発見されて一年以内の筋肉の炎症だけの段階であれば、9割は寛解にもっていくことができます。ところが3~5年と経過して、破壊が骨にまで進むとなかなか難しいのが実状です。早期の受診がそれだけ大切なわけです。リウマチの場合、予防的な治療ができないのに加えて、検診では中々わかりにくい、といった難しさがあります。

最初は検査をしても現れないことが多く、逆に血液検査などでは確かにリウマチの反応が出ているのに、患者が痛みを訴えないということさえあります。こうした場合は、かなり日数がたってから出ることがありますので、実際に痛みが出てから治療にかかります。