一方、よく登場する膵臓分泌ホルモンであるインスリンに関しては、ブタのインスリンに代わって、大腸菌が作ったヒトインスリンが糖尿病の治療に使用されている。また、1950年代になって実証された糖タンパクホルモンのエリスロポエチンは、貧血・心肺疾患・高地生活の状況において動脈血液の酸素分圧の低下で産生が高まり、骨髄の赤血球系の幼若細胞に作用して増殖を促進させるホルモンだ。

腎不全で腎臓からエリスロポエチンが産生されないで貧血が起こる、透析中の腎不全患者の貧血を改善する薬として、遺伝子組み換えによって作られたエリスロポエチンが用いられている。その他にも動物のホルモンがバイオホルモンとして登場している。

1994年11月に遺伝子組み換えを使ったバイオホルモンが初めて販売された。モンサントが開発した遺伝子組み換え技術を使って生産したウシの成長ホルモン「ホシラック」だ。このホルモンはウシの下垂体で作られるホルモンを増加させる効果があり、これを使うと牛乳生産も増えて乳量が平均10%以上増加する。しかしながら、バイオ技術の食品や農業への応用反対の消費者は、天然物に「バイオホルモン無使用」のラベルを貼ることや、バイオホルモン処理牛では乳房炎率が確かに増えることなどで、牛乳販売に影響が出ることを心配して使用禁止を求めたり、ミルクの供給過剰につながって値崩れが起きるなどの理由から米連邦地方裁判所にバイオホルモンの販売停止訴訟を起こし、地元でのボイコッ卜も計画されている。日本では使用を認めていない。