遺伝子には膨大な情報が細胞の中のDNAに暗号化された情報として書き込まれています。細胞の働きは遺伝子によって決定され、遺伝子は同じ一つの原理で働いています。これは生物が間違いなく一つの細胞から始まったと思われます。私達が草木を見て心安らぎ、犬猫に出会って親しみを感じるのは、あらゆる生物が起源を一つにする親戚兄弟だからかもしれません。

とにかく遺伝子暗号の解読によって色々なことが解ってきました。

その中でも、装うもできなかった事実として、遺伝子がいかに小さいか、そして人の遺伝子暗号の約30億の化学文字で評される情報が1グラムの2000億分の1、幅が1ミリの50万分の1という超極小のテープの中に書き込まれているということです。

このテープのちいささは、例えば現在の地球人口60億人分のDNAを集めたとしても、米粒1つの重さにしかなりません。幅が1ミリの50万分の1というのは、仮に1ミリの針金を100分の1の細さにしてしまうと息を吹きかけただけで切れてしまう、それでもDNAよりまだ5000倍も太いということです。超がたくさんある微小の世界なのです。