診断と同時に治療もできる内視鏡的ポリペクトミー。

大腸ガンの初期は、ほとんどがポリープの形をとります。ポリープとは、粘膜から腸管の内側に向けて生えてくるキノコ状のできもので、そのほとんどは良性です。しかしなかにはガン化するおそれのある悪性のものが3~4%含まれています。大腸ガンを防ぐには、ポリープを小さなうちに発見し、掃除することが大切です。

ポリープの早期発見に欠かせないのが、便潜血反応の検査です。これはガラス板に塗った便に発色試薬を重ね、肉眼ではわからないごくわずかな出血をも見つける検査で、口から肛門までの消化器のどこかに出血があれば、結果は陽性(+)と出ます。

便潜血反応で陽性と出た人には、肛門から造影剤を注入する注腸X線検査や、大腸ファィバースコープによる内視鏡検査などを行います。

さて検査でポリープが発見されたら、これを摘除するわけですが、ポリープや早期ガンの場合には開腹手術は必要ありません。現在、広く行われているのは内視鏡的なポリペクトミーという摘除法で、ファイバースコープの先端につけたワイヤをポリープの茎部に引っかけ、高周波電流で焼き切り、回収する方法です。