内視鏡検査で肺の奥のごく初期のガンも発見可能。胃ガンや大腸ガンは、早期に発見されれば90%以上治ります。しかし、肺ガンは例え早期(第1期)に発見できても、治癒率(5年生存率)は30%程度です。それだけに、ごくわずかな病変をも見逃さずに早期に治療を行うことが必要です。

検査の基本は胸部X線検査です。X線撮影で疑わしい影が見つかった場合には、それがガンであるかどうかを調べるためにCT(肺を輪切り状に撮影)や気管支造影(気管支・気管が枝分かれして肺につながる途中の部位に、X線をさえぎる造影剤を注入して撮影する方法)などの精密検査を行います。ガン細胞の有無を直接みる検査法としては、昔から喀痰検査が行われてきました。痰をガラス板に塗って染色し顕微鏡で観察すことにより、ガン細胞を見つける方法です。

最近では、気管支ファイバースコープが開発され、医師が肉眼で気管支内の状態を観察し、疑わしい組織を試験的につまみとり、顕微鏡で調べることも可能になりました。気管支ファイバースコープを使えば、従来の喀痰検査では30%程度しか発見できなかった肺の奥のごく初期のガンも、90%以上見つけ出すことができます。