肝臓の予備能力がはっきり分かる。ICG(インドシオニングリ—ン)という緑色の色素濃度を調べる検査です。同じようにプロモスルホフタレインBSPというアル力リ性で青紫色を呈する物質を用いる検査(正常値45分、0~2%)もあります。静脈血に入ったICGは肝臓に運ばれ、全て胆汁中に排泄されます。賢臓から尿中に排泄されたり肝臓以外の臓器に取り込まれたりすることがありませんので、血液中のICG濃度は肝臓の血流量を正確に反映します。このためICGは肝臓の予備能力を知るのに非常に有効で、肝硬変など慢性肝障害の診断に用いられます。

肝臓の予備能力が十分にあるときは、異物である色素を速やかに排泄するので、ICG15分停滞率(注入した色素のうち15分後に血液中に残存している色素の比率)は10%以下です。ところが慢性肝炎や肝硬変が進み、肝血流量が低下すると、ICGを排泄するスピードが落ちて来ます。慢性肝炎ではICG15分停滞率が10%を超える(特に活動型では15%以上)ことが多く、25%も超えると肝硬変に進展している可能性が疑われます。数値の高い場合は肝硬変、慢性肝炎(活動期)、急性肝炎(急性期)など。