全身に血液を送り出す心臓のポンプ機能が正常であるかどうかを、目に見える波形にして診断するのが心電図検査で、心臓の右心房の近くにはペースメーカー(歩調とり)と呼ばれる小さな結節があり、規則的に電気的興奮を生じています。この電気的興奮が心筋全体に伝わることによって、心臓のリズミカルな収縮が行われるのです。このため心臓が収縮するたびに、体内には1~3mmVの弱い電流が流れます。心電図はこの電流を手足や胸部においた電極から心電計に導き、増幅して記録したものです。

心筋梗塞の原因となる冠状動脈(心筋に酸素や栄養を与える血管)の異常を調べるには、運動負荷心電図がよく用いられます。階段昇降の直後や、トレッドミルという機械の上を走りながら心電図をとり、冠状動脈が心筋に十分な血液を送れるかどうかを見ます。安静時には正常でも、運動負荷をかけると心筋が虚血状態になることが分かれば、心筋梗塞の予防に重要な目安となるわけです。また携帯用のコンパク卜な心電計を身につけて24時間、心電図を記録する方法もあります。これはホルター心電図と呼ばれ、発作がおさまると心電図が正常に戻ってしまう狭心症や不整脈発見予防に有効です。