関節でつながるそれぞれの骨の先端は軟骨でできていて、クッションの役割を果たしています。関節は滑膜という膜で覆われ、この膜で覆われた関節腔の中に滑液という関節液で満たされています。立ち上がる時や歩き始めに膝の関節に痛みを感じたら変形性膝関節症の疑いがあります。膝関節の軟骨がすり減ってしまって骨と骨とがこすれ合うために、こうした痛みが出てくるのです。

50代から多く見られるようになり、女性の方が男性の4~5倍も多く発病しますが、その原因については確かなことは分かっていません。病気が進むと、軟骨が擦り減る結果、関節そのものが変形してしまい、O脚になりがちです。また、炎症が強くなると、関節内に水がたまってきます。膝が痛いと感じたら、先ず整形外科で診断を受けて下さい。すり減った軟骨は再生しないため、ひどくなると手術が必要になります。

朝起きて、手足の関節がこわばりを感じたら、慢性関節リウマチのおそれがあります。これは、全身性の自己免疫疾患の一つで、滑膜に炎症を起こし、それが徐々に増殖して骨や軟骨を破壊して行く病気です。指の小さな関節から痛みが始まる場合が多く、やがて両手両足の多くの関節に炎症が起こって来ます。また、微熱が続く、疲れやすいといった全身症状も出てきます。治療は、痛みをとることと炎症を抑えることが中心になりますが、関節に負担をかけない、過労を防ぐといった日常での心構えも必要になってきます。

このほか、関節に痛みを感じる病気には、痛風などもあります。尿酸というタンパク質の代謝産物がとがった結晶となって関節腔の中に沈着することで起こります。