2本の足で歩くようになって私達人間にとって腰痛は宿命の病気になったといわれています。直立姿勢によって頭と上半身の重さが全て腰にかかってしまうからです。日常の何げないちょっとした動作で腰に激痛が走り、そのまま動けなくなってしまう、これが発作的な腰痛、俗に言うぎっくり腰の典型的な症状です。こんな発作が起こったら、先ず安静が第一。痛みがひどい時は、鎮痛剤などの痛み止めの薬を服用するのもよいでしょう。痛みがひどいからといって無理に動いて病院に行くよりも、安静に保って痛みが落ち着くのを待ちましょう。痛みが和らいだら整形外科で診察してもらうようにして下さい。発作直後のマッサージや指圧なども厳禁です。

最初は湿布をして炎症を抑え、その後、腰を温めると、1週間くらいで痛みはある程度引いてくるはずです。背骨は脊椎と呼ばれる骨が24個積み重なってできています。背椎の前方の部分を椎体といい、その間には椎間板という軟骨がはさまっています。

背骨のスムーズな働きを可能にし、動作時の衝撃を和らげてくれるのがこの椎間板なのですが、ぎっくり腰の多くは、ここに亀裂が生じることで起こってきます。加齢とともに椎間板の弾力性は失われていきます。これに加えて、腰への負担が大きくなると、ちょっとしたことがきっかけとなって、椎間板に亀裂が生じるようになってくるのです。

痛みが治まれば、また普段どおりの生活に戻る事ができます。しかし、油断しているとぎっくり腰は繰り返し起こる可能性があります。どういう動作が自分の腰に負担をかけるのかを知って、日常の動作を注意することが再発予防の第一のポイントです。

脚のしびれを伴って腰が痛い。突然の激痛に加えて、脚の痛みやしびれを伴ったら、椎間板ヘルニアの可能性が高いと言えます。腰に大きな力が加わると、椎間板が強く圧迫されます。その結果、椎間板に亀裂が入り、そこから髄核という椎間板の中身が外に出て、その周辺の神経を圧迫することから、脚の痛みやしびれが出てくるからです。痛みは、おしりから太股の後ろ、ふくらはぎ、ツメ先まで貫くことがあります。これが座骨神経痛と呼ばれるものです。神経が圧迫されることによって、脚のしびれとともに、脱力感を感じることもあります。このような時には、整形外科で診察を受けて下さい。

痛みが出たら、安静を保つことが重要で、1週間程度の安静で痛みは半分くらいになります。腰椎コルセッ卜をつければ、腰への負担を軽くすることができます。また痛みがひどい場合は鎮痛剤も服用します。患部を温めることで痛みを和らげることができます。

少し歩くと脚がしびれて歩けなくなる。慢性的な腰の痛みとともに、5分くらい歩くと、脚がしびれたり痛くなったりして歩けなくなり、しばらく座って休むとまた歩けるようになる。こんな症状が出た時は、滑り症という腰椎の異常が考えられます。この中の変性滑り症では、加齢とともに、椎間板と椎間関節(脊椎の後ろ側にあって、上下の脊椎をつなぐ関節)にゆるみが生じて、腰椎が前後にずれできて神経が圧迫され、脚のしびれや痛みが起こって来ます。直立したり、歩いたりするとこの圧迫の程度が高くなり、ついには歩けなくなってしまいます。座って暫く休むと、神経への圧迫がゆるんでくるため、また歩けるようになってきます。症状が気になる時は、整形外科を受診して下さい。日常の生活では、腰になるベく負担をかけないように注意し、肥満にも気をつけることが大事です。

腰痛が長期間続くときは要注意。急な腰痛が起こっても、1週間くらい安静にしていれば痛みは半分くらいに軽くなるものです。ところが同じような痛みが長期間にわたって持続したり、逆に痛みが増してきたりした時は、なるべく早めに内科・整形外科を受診する事。なにか重い病気のシグナルとして、腰痛が起きていることがあるからです。この場合には、骨粗鬆症による椎体の骨折のほか、冒腸障害や腎臓病、肝臓病、ガン、女性の場合は子宮筋腫、卵巣腫瘍など考えられます。

食後に左側背中の痛み嘔吐の場合、急性膵炎なら膵臓が傷つき消化酵素が腹の中に漏れ出る病気、軽く済むこともあるが、ひどいと命に関わります。背中の痛みにも要注意。