腹部の痛み、下痢、吐き気、嘔吐などを伴って38度を起えるような高熱がある場合は、腹部の、どの部分が痛むかによって、どのような病気の疑いがあるのか大体の見当を付けることが出来ます。

右下腹部が痛いと言う時には、急性虫垂炎(盲腸炎)が先ず挙げられます。女性であれば、卵管炎や卵巣炎なども考えられます。内科、外科、婦人科いずれかで受診して下さい。

胃潰瘍や十二指腸潰瘍、急性虫垂炎、急性膵炎などによって臓器に穴があき、そこから胃腸の内容物が漏れ出して腹膜炎を併発している時には、腹部全体に猛烈な痛みを感じます。こんな痛みを伴って熱がある時は、急いで内科、外科のいずれかで受診することです。

みぞおちから背中にかけて強い痛みがあり、吐き気や嘔吐を伴う時は、急性膵炎が考えられます。これは膵臓が作る消化酵素(膵液)で膵臓そのものを消化する病気です。

みぞおちの部分から右わき腹にかけて痛みがある時は、胆のう炎や胆管炎が考えられます。このような症状の時には、急いで内科の診察を受けることが必要です。

背中の下部から腰にかけて鈍い痛みを伴って高熱が出た時は、急性腎盂腎炎の可能性があります。腎臓で作られた尿は、腎盂と尿管を通って膀胱に一旦ためられますが、大腸菌などに感染することによって腎盂に炎症が起こるのがこの病気です。膀胱炎では普通発熱は起きないが、腎盂腎炎は突然、寒気、震えと共に高熱の出るのが特徴で直ぐ受診する事。

一方、突然高い熱を出すわけではないが、悪性腫瘍(ガン)でも発熱することがあります。こうした疑いのある場合は、疑わしい臓器を様々な検査の手法を使って調べて行きます。また血液ガンと言われる白血病の疑いがある時には、血液や骨髄を調べます。

腹部に現れる症状(痛み)については、医者に診察を受ける時には、どこが、どのように、いつごろから痛むのかをできるだけ詳しく伝えることが重要になって来ます。熱が出ていることはすぐに分かりますが、痛みは目で見ることはできません。正確で的確な情報を伝えることができれば、医者は問診と触診だけで過半数の病気は、診断がつけられます。