膣の内容物を顕微鏡で観察する。

子宮ガンはかつて胃ガンに次いで、女性のガン死亡率の第2位を占めていましたが、近年は急速に減少する傾向にあります。これには子宫ガン検診の普及が大きく貢献しています。子宮ガンは、子宮頸部(子宮の入り口)にできるガンと子宮体部(胎児が育つ子宮の本体)にできるガンの二つに分かれます。我が国ではおよそ7割が、比較的発見しやすい子宮頸部のガンです。子宮頸ガンは0期~IV期に分類されますが、あらゆるガンの中で最も治癒率が高いガンとも言われ、粘膜だけがガン化する0期に発見できれば、ほぼ100%治ります。この0期~I期の子宮頸がんは、集団検診で見つかるケースが多いのです。

子宮ガンのスクリーニングには細胞診が行われます。これは子宮頸部または膣の中にたまっているスメア(内容物)を綿棒でこすり取り、カラス板に塗って顕微鏡で調べる検査です。スメアの中には膣粘膜からの分泌物のほかに、子宮頸部からはがれ落ちた細胞も含まれています。その中に1個でもガン化した細胞が含まれていれば、子宮頸部のガンが疑われるわけです。この細胞診は患者がスメアを自分で採取する方法もあります。