個々の赤血球内にはへモグロビンがぎっしり詰まっているにも関わらず、赤血球数が不足するために起こる貧血を高色素性貧血といいます。これに対し、赤血球1個あたりのへモグロビンが減り、同時に赤血球数も減るタイプの貧血を、低色素性貧血と呼んでいます。女性にみられる貧血の大部分は低色素性貧血で、原因は鉄欠乏である場合がほとんどです。
ヘモグロビンは、ヘムという色素とグロビンというタンパク質からできています。ヘムの材料になるのが鉄ですから、体内に鉄分が不足するとヘモグロビンの合成が低下します。女性は月経や妊娠によって多量の鉄を失うため、低色素性貧血になりやすいわけです。へモグロビン量が10g/dl以下になると明らかに貧血です。