胆石や胆道ガンのときに高値になる。アルカリホスファターゼは、体内のあらゆる臓器や組織に存在するリン酸酵素です。特に肝臓や総胆管、腎尿細管などの細胞膜に多く存在しています。したがってこれらの臓器に障害があると、細胞膜のALPが血液中に流出し、高値になります。ALPは肝臓から胆汁中に排出されるので、胆石や胆ガンなどで胆汁の流れがうっ滞した場合にも、胆汁中のALPが血液中にあふれ出てきます。この場合、同時に肝細胞でのALPの生成が亢進されるため、ますます高値になります。

急性肝炎では、GOTの値はグンと跳ね上がりますが、ALPの上昇は軽度に止まります。このようにGOT、GPTの検査値と考えあわせることで、肝障害の鑑別に役立ちます。またALPは骨でも作られるため、ある種の骨の腫瘍やくる病、骨軟化症などでも、障害の程度に比例して数値が上昇します。GOT、GPTにまったく変化がない場合は、これらの骨の病気の疑いが強くなるわけです。数値が高い場合は胆汁うっ滞、ウイルス性肝炎、細胆管性肝炎、胆汁性肝硬変、アルコール性肝硬変、肝ガン、胆道ガン、胆石、骨腫瘍、くる病、骨軟化症など。正常値2.7~10KA単位、80~260IU/l。