骨は血液・体液中の生き物のようにして、血液や体液の成分、そして外圧の影響によって変化して生きていますが、逆に血液や体液に影響をおよぼして、そのカルシウム濃度を一定に保つ作用(ホメオスタシス)もしています。

そのホメオスタシス恒常性の仕組みは、血液には常に一定の濃さのカルシウムが溶けていて、体のすべての細胞が働くのに役立っています。その濃さは血液100mlあたり8.7~9.7mgとわずかです。従って骨以外の臓器や血液など全身に含まれるカルシウムは、すべてを合わせてもせいぜい10g程度と、一人の人間の保有するカルシウム量800~1,000gの1%ぐらいにしか相当しません。この血液中にわずかに溶けているカルシウムは常に一定の濃さを保っていますが、これをコントロールするのに一役買っているのがカルシウムの貯蔵庫である骨、しかも生きている骨なのです。