腸内細菌は、人の健康に色々影響し、人体と共生の関係にある。その良い影響としては、人体に必要な物質を合成する。それは、ビタミン類(ビタミンB群・ニコチン酸・葉酸・パントテン酸・ビタミンB2・B6・B12)。タンパク質(人体が利用できない形の、食物中に溶けた窒素ガスから、人体が利用できるタンパク質に変える)。有害微生物を退治する(例えば腸チフス菌を腸内細菌が攻撃し、腸チフス菌を抑える)。人体の免疫獲得に役立つ(腸内細菌は、免疫物質を作る。その一つが免疫グロブリン。体内に細菌という抗原が入っても、この免疫グロブリンという抗体が結合して、抗原の毒性を中和する)。

その悪い影響としては、人体に必要な物質を分解する。例えばビタミン、腸内にアノイリナーゼ菌が住み着くと、アノイリナーゼという酵素を作り、これがビタミンB1を分解し脚気になる。アリナミンなどの結合型ビタミンB1はアノイリナーゼで分解しないので有効である。

また有害物質を作る。腸内物質は、例えばタンパク質を一部アンモニアに変える。またアミンを作る。これは食物からきた亜硝酸塩と結合し、発ガン性のあるニトロアミンに変わることがある。日和見感染源となる。健康な時は有害作用のない腸内細菌でも、体力が弱り抵抗性が低下すると、病原性を発揮して有害となることがある。かかると治りにくい。

さて血液の中でパウイは吸収された後、体内を巡り、病気を治す作用にかかり、その後、変化を受け、体内及び体外へ排泄される。体内に排泄されると言うのは、主に胆汁に出てくることを言う。では、この吸収されたパウイが体内で何処へ行くのか、その行方を追ってみよう。

パウイが吸収されて血流に乗ると、先ず血液中に最も多いアルブミンというタンパク質と結合する。血液は1分間にほぼ体を一回りするから、血流に乗ったパウイは、この間に各臓器を訪問する。訪問先のうち肝臓は少しやっかいである。代謝作用が強く、せっかくのパウイが変化を受けて、効果のなくなることがある。がパウイは各臓器や筋肉に均一に分布して、それぞれの細胞に働きかけて行くのである。パウイが必要な場所にたどり着くと、アルブミンから離れて効力を発揮する。血液中のパウイは血管内皮細胞の場所によっては、パウイが通りやすくなっていたり、にくくなっていたりする。このパウイが、赤血球中→←血漿中→←血漿中のタンパク質と結合通り、平衡関係を保っている。このうち血獎中のパウイだけが血管の透き間を通って、細胞の方へ移って行くのである。パウイは非自己と戦って勝利をおさめるが、自らも傷ついて、活性のない形に変化し、大抵は尿に溶けやすくなり、腎臓へ流れて排泄されていく。

血液100mlには、血漿55~60mlと、赤血球4 0~45mlが含まれている。血漿は液であるが、赤血球はノリのようなドロドロのものもある。血漿には多くの成分が含まれるが、主なものタンパク質ではアルブミンが最も多い。

パウイが血液に入ると、先ずアルブミンと結合して、各所の構成している細胞に働きかけ各細胞の細胞膜を通過して細胞内小器官オルガネラに働きかける。

パウイは血液に乗って何処へ行くのか?行き着くまでに変化(代謝)を受けることがある。口から飲んで、小腸からパウイが吸収されると、門脈という血管を通って、まず肝臓に運ばれる。肝臓は代謝作用が盛んで、かなりの薬がここで代謝をうける。薬を活性のない、そして排泄されやすい形に変えるわけであるが、パウイの成分にはその代謝に免れる能力を持つものがある。せっかく、病気を治すために薬を飲んだのに、体にしてみれば薬は非自己異物である。異物はなるべく早く排泄するように体はできているのである。

ここまでのル一トは、どんな飲み薬も同じである。ここから先が問題で、薬によって、その行く先が決まっている。動物実験(犬)によって実験すると、薬によって行く先が決まっているのが分かり、それを、最近の技術でこれを変えることが試みられている。薬が分布すると、薄まってしまう。それに不必要な部分へも行くので、副作用のおそれもある。

体内ではすぐ分解しても困る場合がある。それはミサイルのように、例えばガン部分だけをねらい撃ちできれば効果的である。この目的で、油の小球に有効成分を包み込んだリポソームや、高分子医薬品などが注目されている。(DDSドラックデリバリーシステム)。