副腎髄質ホルモンの異常を調べる。交感神経と連動して血圧を上げるなどの働きをする副腎髄質ホルモンにほ、ノルアドレナリン(ノルエビネフリン)、アドレナリン(エビネフリン)、ドーパミンなどの種類があり、まとめてカテコールアミンと呼びます。バニリルマンデル酸(VMA)はそのうちのノルアドレナリン、アドレナリンが体内で変化を受けて、最終的に大部分がこの形で尿中に排泄されるものです。検査の際には、予め塩酸を入れた容器に蓄尿し、低温で保存する必要があります。一方、ドーパミンの尿中終末産物はホモバニリン酸(HVA)です。褐色細胞腫、神経芽細胞腫ではカテコールアミンが大量に産生されるので、尿中のVMAが1日10mgを超えて大量に排泄されます。同時に尿中HVA排泄量も測定すれば、一層確実な診断ができます。ただし、糖尿病、甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症、脳血管障害、急性肝炎などでも軽度に増加することがあります。また昼間のほうが夜よりも排泄量が多く、バナナ、バニラを含む菓子類などを摂取した後にも多少増加することがあります。

  • 数値が高い場合        褐色細胞腫・神経芽細胞腫など
  • 数値が低い場合        家族性自律神経失調症・フェニルケトン尿症など
  • 正常値  血漿3~9mg/ml 尿1.3~5.1mg/day