複数の検査に基づく正確な診断。脂肪肝を的確に発見するためには、複数の検査の組み合わせが必要です。脂肪肝は自覚症状がほとんどないため、健康診断などで受ける肝機能検査(AST・ALT・γ-GTPと呼ばれる血液中の酵素の検査)の数値の異常が、最初の手掛かりになるのが普通です。ただし、それだけで脂肪肝とは断定できません。肝機能検査では、慢性肝炎なども脂肪肝と同じような数値を示し、判別が難しいからです。そこで肝機能検査で異常が出た場合は、更に超音波検査やウイルス検査を行い、結果を照らし合わせて確定診断をします。

肝機能検査の異常の原因が脂肪肝なら、超音波映像に、肝臓の過剰な脂肪が映し出されます。慢性肝炎なら、ウイルス検査で病原体が検出されます。また脂肪肝に慢性肝炎が合併していれば、両方の検査に陽性の結果が出るわけです。脂肪肝以外の病気のチェック。

脂肪肝になる人は、食べ過ぎ飲み過ぎや、肥満の傾向があります。そして高脂血症、高血圧、糖尿病、痛風、胆石、腎結石などの合併症を抱えている確率が、かなり高いことも確認されています。脂肪肝自体は、自覚症状も目立った病害もない比較的軽い病気です。