増加すれば貧血の予後は良好。

網状赤血球とは、できたばかりの若い赤血球のことで、通常は赤血球全体の2%以下を占めています。赤血球の生成過程に関係した再生不良性貧血や溶血性貧血の診断には、この検査が欠かせません。

検査は、採取した赤血球をニューメチレン青という色素で染色することによって行います。網状赤血球には、青く染まった網状または顆粒状の物質が観察されます。そこで赤血球100個の中にこの網状赤血球が何個含まれているかを示したのがこの検査の数値です。例えば、骨髄の造血機能が低下する再生不良性貧血では、網状赤血球が低下します。

赤血球が壊れやすく寿命が短い溶血性貧血では、壊れた分を補うため骨髄の造血が盛んに行われて網状赤血球は増加します。数値が100を超えるケースもかなり見られます。また一般に貧血の治療開始後は造血が盛んに行われ、網状赤血球が増加します。従って網状赤血球が上昇すれば予後の経過は良好、逆に低値なら経過が不良と判定されます。数値が高い場合は貧血の回復期、溶血性貧血など。低い場合は再生不良性貧血など。