未熟児や不自然な食品の摂取など、様々な環境ストレスによりスカベンジャーが未発達であったり、弱体化していると、スカベンジャーの働きの限界を越えた活性酸素が作り出され、それによる害が様々なところに出現するようになります。

そのような場合、それらを消去する物質を外から取り入れなくてはなりません。そこで、そのような悪い働きを阻止する物質で、人体に害を与えず、容易に利用できる新たなスカベンジャー探しが必要になってきました。

この場合、ハイドロキシルラジカルになってしまうと面倒なことになるので、その前段階にある活性酸素を消去する物質を見つけるのが最も効果的であろうという考え方があります。

そこで、活性酸素を体内で過酸化水素に変えてしまうSODが現実に体内に存在しているのだから、その化学式、構造式を研究すれば「SOD様作用物質」が比較的容易に作れるのではないかと考えたわけです。

例えば、SODを動物から取り出し、バイオの技術で量産して臨床に使用する試みもその一つですが、まだその成果が評価されるまでには至っていません。というのも、体内で作られるSODは高分子の酵素です。ところが、高分子物質を経口投与しても、腸壁から吸収することができません。

つまりSODそのものや、それと同様の効果を持つ高分子の物質を人為的に作り出したとしても、腸壁でブロックされて体内に吸収されず、所期の効果は期待出来ないということです。

そこで、低分子でそのような働きをする物質を作り出そうと多くの科学者が研究し、動物の体内物質や植物の成分を取り出して合成したり、遠赤外線を使ったりなど、それぞれ独特の方法で開発することに成功しました。

これらは、酵素そのものでないにも関わらず、活性酸素を分解するSODと同じような働きをするというので、「SOD様作用物質」と命名されました。

例えば、L—SOD (リボゾーム処理活性酸素除去酵素)やAOA (抗活性酸素剤)などは現在注目の的であり、理論的にも高い評価を受けていますが、臨床的にはまだまだと言われています。

つづく