仕事の質や、生活の質の改善は無限に延びている。人間のすることに絶対的な完全さはあり得ない。そこには改善の余地が無限にあるということだ。常により良い道を探すことだ。

それには毎日、どうしたら仕事を、生活を、改善することが出来るかというアイデアを考え続け、そのアイデアを毎日ノートに書き、毎週月曜日の夜、一週間の間書き留めたアイデアを整理し、検討し、それを活かすのにはどうしたら良いかを考えることです。

そして、自分にこう問うのです。

「改善するためには何をすることが出来るだろうか?」

すると必ず良い考えが浮かんで来ます。とにかく注意深く自分に問いかけることです。大切なのは、物事を始めたときにその自分が何を知っていたかということではなく、最も大事なことは、それを始めた後で学ぶことであり、活用することです。

日記をつけるのでも、毎晩その日の自分の経験を思い返して見ることで、その日の出来事から何らかの教訓を引き出そうと努めることです。日記は仕事の質や生活の質を改善する材料となります。自己改善や、人生の知惠を身につけるには日記は最良の材料です。

自分の耳は知識の吸い込み弁である。人に話すことも学べますが、問うたり聞いたりすることによって学べることは無限にあります。

質問したり人の話を聞いたりすることによって自分の改善力を強化するためには、ほかの人につとめて話しさせること。

個人的な会話の場合でも、「貴方の御経験をお聞かせ下さい」とか、「これについてどうお考えですか?」などと、相手に話すことを薦めることによって、人々の考えを引き出すのである。それに、このようにつとめて人に話させることは、人々に貴方を好きにさせるもっとも確実な方法でもあります。

外の人の言うことに精神を集中すること。

聞くということは、ただ黙ってロを閉じていることだけではない。言われたことに自分の精神を集中させることである。言い換えれば、そこから自分の精神の糧を摂取することである。

改善力は自分の考えの果実である。しかしそれに価値を持たせるためには、その改善力から生まれたアイデアが利用され、働かされなければならない。アイデアが実を結ぶのはごくわずかだけである。アイデアは非常に死滅しやすいもので、自分がよく注意していなければ、すぐ消えてしまう。アイデアは、それが生まれたときからそれを実地に役立てるまでには、その扱い方に特別な注意が必要なのである。

とにかく自分にも改善力があるということを信ずることから始まる。あることをすることが出来ると信ずることは、改善的解決への道を切り開く第一歩である。その方法を発見する入り口である。それをすぐ書き止めて置くことだ。新しいアイデアを保存し、育てあげるためには、記憶は弱い奴隸に過ぎない。何時もノートに書き留める習慣を作ることだ。

集めたアイデアは生きたノートに書き留めて置き、時々それを吟味することだ。そのアイデアを耕し、肥科をやることで成長させることである。それを考えるためには、関係のあるアイデアと結び付けたり、あらゆる角度から研究して見ることだ。