膵臓の機能が分かる。リパーゼは膵臓で作られ、中性脂肪を脂肪酸とグリセリンに分解する酵素です。膵臓の組線が破壊されると血液中に放出されて増加します。アミラーゼ、エラスターゼ1、トリプシンなどが同じ目的で同時に測定されます。まぎらわしい名前のホスホリパーゼA2は、同じように膵臓で作られ、リン脂質を分解する消化酵素ですが、別のものです。

急性膵炎は大量のアルコールや脂肪の多い食物をとった後で、みぞおちに激しい痛みを伴って発病しますが、すみやかに他の急性の腹痛を伴う疾患と見分けて、絶食させ輸液などの治癒を開始する必要があります。膵臓疾患の際に測定される血液の酵素のうちリパーゼはアミラーゼよりもいっそう特異性の高い(他の疾患では変動しないので見分けやすい)酵素と考えられます。また、急性膵炎は胆石症などでも起こりますが、アミラーゼとリパーゼを同時に測定し、両者の比を求めると、アルコール性膵炎の場合はリパーゼ/アミラーゼ比が高いので、原因の判定に役立ちます。数値が低い場合慢性膵炎、糖尿病。数値が高い場合、急性および慢性膵炎。膵臓ガン、イレウス(腸閉塞)、腎不全。