陽性なら糖尿病昏睡危険も。一般的な検査とは異なりますが、糖尿病の方にとっては重要な尿検査の一つです。人の体はブドウ糖を主要なエネルギー源の一つとして活動しています。ところが、糖尿病にかかると、体の組織がブドウ糖を取り込むのを助けるインスリンが不足するために、血糖が効率よく利用されません。このような状態が続くと、ブドウ糖は酸化されてアセトン体(ケトン体)という物質に変化し、ブドウ糖のかわりにエネルギー源として消費されます。増え過ぎて、組織が消費しきれなくなると、アセトン体は血液中にあふれてきます。

この状態をケトージスといい、ここまでくると糖尿病もかなりの重症です。吐く息には、特有の果物が腐ったような甘酸っぱいニオイが混じります。さらには意識障害が起こり糖尿病昏睡といって、意識不明に陥ることもあります。尿中のアセトン体が陽性(+)となるのは、このケトージスを招いたときですから、検査の結果が陽性と出たら、食事制限や薬の服用など、糖尿病のコントロールが正しく行われていない証拠です。ただし、激しい運動をした直後などには、コントロールの状態が良好でも結果が陽性と出ることがある。陽性の場合は食事制限など管理がよく行われていない糖尿病。