通常の健康な成人であれば、1日に排出する尿の量はおよそ800~1500ml、排尿回数は5~8回程度と言われています。ところが1日に2500ml以上も尿が出る事があります。これが多尿と呼ばれるもの。

こうした症状が出た時に、原因として先ず考えられるのが糖尿病です。この病気になると、ブドウ糖が尿中に出るのに引きずられる形で、尿もたくさん出てきます。また視床下部や下垂体の異常によって抗利尿ホルモンが出にくくなる尿崩症という病気では、尿がとめどなく出てくることがあります。1回に出る尿の量はとくに多くないのに、すぐにトイレに行きたくなるような状態を頻尿といいます。いわゆるおしっこが近いという状態です。

日中の活動している時に10回以上トイレに行くようであれば頻尿と考えられます。頻尿とともに、尿がすっきり出ないと言った残尿感があるときは、膀胱炎が疑われます。膀胱の粘膜に炎症が起きて膀胱が敏感になり、また尿が残っているような感じがしてしまうからです。ですから、尿意があってトイレに行っても、尿はほとんど出ません。

頻尿で血尿が出るようであれば、膀胱ガンや膀胱結石が疑われます。こうした症状が出たら、早めに膀胱鏡検査、あるいは尿細胞診検査を受け、ガンの有無を調べてもらったほうがいいでしょう。男性の場合は、前立腺の肥大によって膀胱や尿道が圧迫され、頻尿が起こることがあります。