字がうまく書けないというような症状が出たら先ずパーキンソン症候群が疑われます。少し進行してくると、表情が乏しくなり、背中を丸めたような姿勢になります。脳内の神経細胞間の情報伝達にかかわるドーパミンという代謝物質の低下がその原因であるため、ドーパミンを補う薬物療法を受けることで、病状を改善することができます。

動作をするときに手がふるえるのは、運動の調節を司る小脳の異常が考えられます。小脳に出血や梗塞があるとふるえます。足がもつれて真っすぐに歩くことができない。字が.うまく書けない、舌がもつれてろれつが回らないなどの症状も目立ちます。

手の指をゆっくりと開いた時、プルプルと細かく震えるようであれば、バセドウ病などの甲状腺機能亢進症の疑いがあります。バセドウ病では、代謝が亢進するために心臓の拍動が速くなり、息が切れる、多量の汗をかく、やせる、イライラするといった症状も出てきます。この場合は、ホルモンの分泌を抑える治療が行われます。

アルコールの飲み過ぎで手が震えることがありますし、高齢者では、特にはっきりとした病気のないのにふるえることがあります。ただしこの場合は、動脈硬化のために本人も気づかないうちに脳梗塞を多発していることがありますから、注意が必要です。