頭痛の程度が日を追う事に強くなり、痛みが慢性的になって来た時は、次のような病気が疑われます。先ず脳腫瘍の場合です。異常な細胞の瑰である腫瘍が脳にでき、それが徐々に大きくなってくると、脳の周囲の髄膜や血管が引っ張られて痛みが起こって来ます。頭痛とともに、吐き気や突然の嘔吐などを伴うことがあります。また、時には腫瘍が破れて出血を起こし、脳出血のような激しい頭痛に突然襲われることもあります。

頭蓋管の裏側にある硬膜の下部に血がたまる硬膜下血腫でも、こうした症状が出てきます。頭を何かにぶつけたりして、硬膜にある血管から出血して起こりますか、硬い膜だけに伸び縮みしにくく、そこにたまった血液のために膜が引っ張られて、痛みを覚えるのです。たまった血液が少ないうちは、自覚症状がほとんどなく気がつきませんが、血腫が大きくなるにつれて、痛みが段々強くなって来るのが特徴です。例えば高齢者の場合、それまでは元気で記憶も確かだったのに、頭が痛いと言ったかと思うと、急に物忘れがひどくなり、老人性痴呆が始まったのではないか、と間違われることがあります。このような症状で頭痛を伴う場合には、脳外科で精密な検査を受ける必要があります。