5種類のSOD様作用物質をアメリカのスーパーで購入し、或る国立大学医学部のESR (電子共鳴装置)を使って、この分野における日本の権威者がテストしたのですが、結果は、「活性酸素分解能力に有意性はない」というものでした。

たしかに、ある時期までは、活性酸素こそが酸素毒性の中心物質と考えられていました。

しかし、その後の研究で、活性酸素の反応性はそれほど強くなく、また生理的な条件下で産生された活性酸素には細胞膜の脂質過酸化連鎖反応を起こす力のないことが明らかになってくると、そのことに疑問を抱く意見も出て来ました。

ただし、好中球による殺菌作用や炎症を起こしている箇所においては、やはり活性酸素が重要な意味を持つことが分かっています。また、

ミクロゾームやミトコンドリアで生じた活性酸素が細胞質の中に放出されると、細胞液中のSOD (Cu—SOD、Zn-SODやMn-SOD)によって活性酸素が消去され、過酸化水素に変化します。しかし、これらはSODが活性酸素の作用を完

全にブロックして無害化させたのではなく、活性酸素を別のフリーラジカルである過酸化水素に変化させただけに過ぎません。

つづく