中枢神経系の異常を顕著に現わす。

中枢神経系、すなわち脳や脊髄の異常を調べる検査です。脳と脊髄はそれぞれ頭蓋骨、背椎骨に包まれていますが、これらの骨との間には髄液(脳脊髄液)と呼ばれる液体が流れていて、潤滑油の働きをすると同時に、栄養を補給したり老廃物を運び出したりしています。脳や脊髄に異常が起きると、この髄液の液圧や色調、細胞数、成分などに変化が現れます。検査では、患者に背中を丸めて横向きに寝てもらい、局所麻酔をした後、第3、第4腰椎の間に針を刺して、髄液を採取します。最初に、針と測定器を連結して、液圧を測ります。液圧が高くなっている場合は、脳や脊髄の炎症による浮腫や腫瘍、出血などが疑われます。次に髓液の色や浮遊物の有無を肉眼で観察します。正常な髄液は無色透明ですが、黄色く濁っているような場合は、過去に中枢神経系の出血があった疑いが濃厚です。

肉眼による観察の後、顕微鏡で髄液中の赤血球や白血球の数を調べ、ブドウ糖やタンパク質などの濃度を測定します。リンパ球が大量に増えている場合は髄膜炎(細菌性を除く)、また中枢神経系の病気では一般に、髄液のタンパク濃度が上昇します。