特定の放射性同位元素(RI=ラジオアイソトープ)を患者に飲んでもらうか、血管内に注射します。RIとは、文字通り放射能を出す元素です。放射線は主にα線、β線、γ線の三つに分かれますが、検査に用いるのはほとんどが、短時間で放射線が消える線なので、人体に入っても大きな害はありません。

RIには体内に入ると、脳神経系、骨、循環器系、呼吸器系、肝臓、腎臓、甲状腺など、特定の臓器に選択的に集まりやすい性質を持ったものがあります。この性質を利用して例えば肝ガンが疑われる時は肝臓に集まるRIを患者の体に入れるのです。

放射線に感光するフィルムを内蔵したベッドの上に横になってもらうと、一定時間後、肝臓に集まったRIの出す放射線が黒い点としてフィルム上に写し出されます。これをシンチグラムと呼んでいます。例えば肝ガンと肝硬変ではRIの分布が異なるなど、シンチグラムから、様々な病状の診断が可能になります。