血清というのは、血液の上澄み液のことです。血液をとって試験管に入れて置くと、ゼラチン状の赤い固まりができます。その固まりの上に出てくる黄色味を帯びた透明の液体が血清で、大部分は水ですが、何種類かのタンパク質の集合体を含んでいます。

血清タンパクの主なものは、アルブミンとグロブリンです。なかでもアルブミンが全体の半分以上を占めています。したがって体の何らかの異常でアルブミンやグロブリンの合成が障害され尿に漏れ出てくると、血清タンパク総量が下がってきます。

アルブミンは肝臓で作られます。このため肝硬変や肝ガンなどの肝障害ではアルブミンが減少し、血清タンパク総量は低値になります。また腎臓の濾過機能に異常を生じるネフローゼでも、血清タンパクの尿への漏出(タンパク尿)のため低値になります。

グロブリンは4種類に分かれます。多発性骨髄腫では、γ-グロブリンの増加によって血清総タンパクが高値になります。数値が低い場合、肝障害、ネフローゼ症候群、栄養不良など。数値が高い場合、脱水症状(発熱、下痢、嘔吐)、多発性骨髄腫、慢性感染症。