長管骨の骨折治癒過程では、骨折部の中心部のような新生血管の侵入の不十分な部位でも、軟骨の固まりを用いて間断なく骨形成が行われることが特徴であり、この軟骨性骨化が骨折の修復を迅速にさせる機構になっています。先ず線維性仮骨や軟骨性仮骨から弱い骨ができますが、これを一次性骨性仮骨と言います。次いでこれらの仮骨が溶かされ、順次成熟した骨に入れ代わるが、この骨折部を繁げる成熟骨を二次性骨性仮骨と言います。この頃に骨折部のレントゲン写真を撮ると、仮骨部は骨折のない部位の骨よりもむしろ厚く、カルシウムの多い骨のように見え、この場合はもう体重をかけたり、普通に動かしても大丈夫な骨となっています。

一次性骨性仮骨の状態では、骨折部をそっと動かすぐらいであればずれたりしないが、全重量をかけたり、強く力を入れたりすると骨折部が動いてしまうので、慎重に扱う必要があります。二次性骨性促骨の部分はレントゲン像でより厚く濃く写っているので、骨は普通以上に強くなっているように見えます。