昔から骨太の人を頼りになる人のことを表現していましたが、丈夫な体の必須条件は骨太でした。体は豊かな骨を求めています。健康の基は骨だとも言えます。人は歳をとれば顔にシワが寄り、髪の毛が薄くなりますが、これらは老化現象だと者え別に逆らう人も少ないでしよう。同様に、歳をとると腰や背中が曲がり、骨折が生じやすくなる骨粗鬆症も、骨の老化現象であり、仕方のないものとして諦められていました、しかし、現在、骨代謝研究が盛んになり骨量測定法の開発と骨量増加・骨折頻度減少効果のある薬の登場は骨太への方法を考え出させています。骨状態によって身体機能を低下させることを防止し、いつまでも質の高い人生を送ることが生き甲斐への道であることを教えてくれています。

まず骨に含まれるカルシウムが血液に溶け出して、色々な細胞機能を発揮させることを通して、生命が維持されるのだと分かってきました。また、骨からカルシウムを動員したり、骨にカルシウムを蓄えるのには、女性ホルモンや腎機能、栄養摂取量、消化器の状態などが関係していると分かり、多くの専門領域が関係する現象だとの認識が深まる。

骨折患者を少なくさせるために骨量を上昇させるとともに、転倒防止やヒッププロテクターの装着、家庭環境の改善といった広い視野で取り組むことの必要性がある。多くの病気に関して共通して言えることは、一つの病気を軽快にさせて治癒していくのみではなく、一人の高齢の患者について全体を把握し、その人の健康を守るために病気を治すと言った考えが必要だということである。骨を健康に保つことができれば、動脈硬化・高血圧・糖尿病などからも遠ざかれ、体全体を健康にでき、人生を楽しみ活躍できるようになります。