前述したように、パウイが小腸で吸収されると門脈に入り、この血液に乗って肝臓へ運ばれる。つまり口から飲んだパウイは、最初に肝臓を通る。ここが大切な所である。口から飲まない薬、例えば、注射剤、皮膚剤、座薬剤はこの肝臓通過がない。薬が吸収されても、そこの血管は直接肝臓へつながっていない。しかし血液は体をめぐるので、いずれは肝臓を通るが、そのころには、すでに体の各部分に有効成分が配送された後であるから、最も少なく大きな影響を受けない。その点座薬剤は大きな利点がある。有効成分がある部分に到達すると、そこの組織と結合するのがパウイの特徴とも言える。

しかし、脳へ行く薬は多くない。これは「血液脳関門」という関所、バリアがあるためである。異物の勝手な移行は許さない。ところが中枢神経系の薬は、むしろ脳へ移行して効き目が出るのに、これでは困ることになる。抗パーキンソン剤のドーパミンは、そのままでは脳へ入らないので、Lドーパの形にして、脳へ移しやすくしている。

制ガン剤は飲んでも、ふつう体全体に広がって分布する。その結果、副作用を起こすなど、好ましくないことがある。そこで、制ガン劑の行く先を変えて、必要部分にだけ、ミサイルのように集中させることが考えられている。パウイについても、必要部分にだけ作用するべきパウイ成分が研究されつつある。

このように標的への的中のみを考えて行けば、薬物パウイを少量飲用するだけで、標的部分の薬用効果が高まり、しかも、それ以外の不要部分には、薬用が移行しないので効き目が良くなり、さらに副作用がぐんと減るように調剤することは当然である。

「良い水は良い酒の母」という言葉があるが、水は酒だけではなく、パウイの研究や生産にも大切である。特にパウイの飲用時には水への配慮は欠かせないものである。パウイの飲用時に用いる水の如何がパウイの効果につながっていると言える。

人体には、水分は大人で体重の60%、生後1ケ月までは80%あると言われている。体の老廃物や、病気を治した後の薬(パウイを含め)は、この老廃物として、尿として排泄される。最初先ずこういったものは血液に入って来る。この時までに、薬は無害な形に代謝され、しかも血液や尿に溶けやすい形になっている。腎臓に到達すると、ろ過されて膀胱に入り、尿として排出される。

腎臓には「ネフロン」というのが左右両方に、それぞれ100~125万本ある。ネフロンには「糸球体」というのがあって、よく溶ける薬の多くはここで濾過され排泄される。

腎臓を流れる血液量は1日1700リットルもあり、そこから170~180リットルの水が濾過される。これは重さにすると体重の約3倍で、この大部分はここで再び吸収され、結局、尿としては1日1~2リットルが排泄されるというわけである。このように、飲んだパウイや薬の終着駅は、ほとんどが尿である。もちろん、便、汗、垢、呼気、ツメ、毛、乳汁などにも排泄されるが、わずかである□尿に排泄されるとき、排泄されやすいこと毒性など、副作用のないことが必要である。尿に溶けやすい形に変化することや、薬が腎臓へ行くまでの間、体に副作用を及ばさないよう、無毒・無害な形に変えることが必要である。人体は、この二つを同時に行うことができる。ほとんどの薬は人工的に作ったもので、人体にとっては異物と見なされる。食品添加物や化粧品も、異物であることがある。

つまり排泄方法は、薬を含めた異物を、体外に排泄する方法と言える。主として肝臓の酵素によって代謝され排泄される。腸内細菌の酵素で代謝されることもある。また化学構造が変化せず、そのままの形で排泄される。体液のPH (普通pH7.4)では不安定であり、化学的に分解、または化学構造が変わる。

パウイや薬は酵素によって、酸化、還元、あるいは加水分解されるが、その後、そのまま、あるいは「抱合体」となって腎臓へ移り、排泄される。抱合体というのは、別の化合物が結合して尿に溶けやすく、かつ無毒の形になることで、別の化合物としては、糖の一種グルクロン酸、アミノ酸のグリシン及び硫酸などがある。たいていの薬は、一つだけではなく、複数の經路で代謝されるものである。体内で変化せず、そのままの形で排泄される化合物はそれほど多くない。

皮膚と言うと、体の外側のことばかり考えるが、胃や腸などの消化管も皮膚の一部だと言われている。しかし、それでは色々面倒なので、ここで本来の皮膚を考えよう。

皮膚は(表皮)は大人で、1.4~1.9平方メートルあり、関東畳み1枚くらいの面

積で、重さ3~4.5キログラムで、臓器としては最大のものである。そして意外なことに、全血流の3分の1が皮膚に在るということである。

皮膚は体を外界から遮断し、微生物や光から体を守っている。また内蔵が外へ飛び出さないよう、包装の役目も果たしている。1日平均900グラムの汗を出し、体温を調節し、わずかだが呼吸もする。その皮膚細胞へパウイ効果が作用している。